夏のゴルフは過酷です。炎天下で4〜5時間歩き続け、重いキャディバッグを運び、集中力を保ちながらショットを打つ——消費するエネルギーと水分は、想像以上です。
実際、熱中症による救急搬送はゴルフ場でも毎年発生しており、重症化すると命に関わります。「自分は大丈夫」と思っているゴルファーほど、気づかないうちに症状が進行するのが熱中症の怖さです。
この記事では、熱中症の症状の見分け方から、予防のための準備・コース上での対処法まで実践的にまとめました。
熱中症の症状レベルを知っておく
熱中症は重症度によって3段階に分類されます。コース上で自分や同伴者の状態を判断するために、事前に把握しておきましょう。
Ⅰ度(軽症): めまい・立ちくらみ・足がつる・大量の汗 → 涼しい場所で休憩、水分・塩分補給で回復することが多い
Ⅱ度(中等症): 頭痛・吐き気・嘔吐・倦怠感・集中力の著しい低下 → 自力で水が飲めるなら経口補水液を。改善しなければクラブハウスへ
Ⅲ度(重症): 意識障害・けいれん・高体温(皮膚が熱く乾燥している) → 即座に119番。本人に飲み物を与えてはいけない
「なんか変だな」と感じた段階が行動するタイミングです。Ⅱ度以上になると判断力自体が低下するため、本人が「大丈夫」と言っても信用しないことが重要です。
予防の基本:水分補給のルールを決める
喉が渇く前に飲む
喉の渇きを感じた時点で、すでに体内の水分は1〜2%失われています。ゴルフの場合、以下を目安にしてください。
- スタート前に500ml以上飲んでおく
- 各ホールのティーイングエリアで1〜2口飲む(1ホールあたり100〜200ml)
- ハーフターンで500ml補給
- 18ホールの合計目標:1.5〜2L
何を飲むか
水だけでは不十分です。大量に汗をかくと電解質(ナトリウム・カリウム)も失われるため、スポーツドリンクや経口補水液と組み合わせるのが基本です。
- 水:スポーツドリンク=1:1 を目安に交互に飲む
- コーヒー・エナジードリンクは利尿作用があるため控える
- 保温効果のある大きめの水筒(800ml〜1L) を持参すると補給しやすい
夏ゴルフの必携グッズ
日焼け止め
SPF50以上・PA+++以上のウォータープルーフタイプを選びましょう。2時間おきに塗り直すのが基本ですが、汗をかくゴルフでは1ホールごとに手の甲だけでも追いぬりする意識が必要です。
冷却タオル
水で濡らして振るだけで冷たくなるタイプのタオルです。首に巻いておくだけで体感温度がかなり下がります。ハーフターンごとに水で絞り直すと効果が持続します。
塩分タブレット・経口補水液
大量に汗をかいた後は塩分補給も必要です。塩分タブレットはポケットに入れておけば手軽に補給できます。症状が出たときのために、経口補水液のパウダータイプを1〜2本バッグに入れておくと安心です。
ウェアと日差し対策
UVカットウェアを選ぶ
夏のゴルフウェアはUPF(紫外線保護指数)が高いものを選びましょう。UPF50+であれば紫外線を98%カットします。吸汗速乾性のあるポリエステル素材が多く、蒸れにくい点もゴルフ向きです。
UVカットアームスリーブは、通常の半袖シャツでも腕の日焼け・紫外線ダメージを防げる手軽なアイテムです。着脱が簡単で、ハーフターンで外すことも可能。
帽子・サンバイザー
直射日光を避けるために帽子は必須です。全体を覆うキャップタイプは頭部の熱がこもりやすいため、通気性の高いメッシュ素材かつばの広いタイプを選ぶと頭部の温度上昇を抑えられます。
ミストスプレー・冷却スプレー
首・手首・内ひじなど太い血管が通っている部位にミストをかけると、効率よく体温を下げられます。ゴルフカートのカップホルダーに入れておくと使いやすいです。
コース上で熱中症になりかけたら
すぐに日陰へ
ゴルフカートがあれば乗って移動し、木陰・カートハウスの日陰など直射日光を避けられる場所に移動します。
体を冷やす
冷却タオルや水を首・脇の下・太ももの付け根に当てます。ここには太い血管があるため、冷やす効率が高い部位です。
無理にプレーを続けない
スコアより健康が優先です。Ⅱ度の症状(頭痛・吐き気)が出た場合はプレーを中断し、クラブハウスで休憩してください。同伴者に「もう少しやれる」と言われても、本人の判断を優先させましょう。
夏ゴルフの準備、前日夜に確認できていますか?
熱中症予防のグッズを準備していても、当日の朝に慌てて荷物を詰めると忘れ物が出ます。特に水筒・日焼け止め・冷却タオルは、準備が必要なのに前日に確認されにくいアイテムです。
ゴルフのオトモは、ラウンド前日にLINEで天気と持ち物をまとめて通知します。夏の高温予報の日には暑さ対策グッズの準備もリマインドされるので、熱中症対策の漏れを防げます。
まとめ
夏ゴルフの熱中症対策は、準備と早めの判断がすべてです。
- Ⅱ度の症状(頭痛・吐き気)が出たらプレー中断。自己判断に頼りすぎない
- 喉が渇く前に飲む。1ホール1〜2口を習慣に
- 水だけでなくスポーツドリンクで電解質も補給
- 日焼け止め・冷却タオル・塩分タブレットを必ずバッグに入れておく
- UVカットウェア・帽子で直射日光を防ぐ
夏のゴルフは暑さと正しく向き合えば十分楽しめます。準備を整えて、安全にラウンドを楽しんでください。

